楽しき寮生活

今日、寮が本格的に決まった。もしかしたら、街の反対側の寮になったら面倒くさいなーと思っていたのだが、運が良い事に学校から歩いて二分の所である。治安は…良い所ではないが、別にホワイトチャペルみたいに殺人があった所ではないので、そんなに心配はしていない。銀行もすぐ傍で、スーパーやマーケットも歩いてすぐの所である。地下鉄の駅は学校の裏に面している。コンパクトに出来ている所である。

寮には中国系イギリス人のクラスメートが入る事になっている。結構仲が良いし、同じ授業を取っているヤツがいるとありがたい。

クリスマスには家に帰ることになった。結構嬉しい。正月に日本人は必ず家へ帰るのと同じで、クリスマスを一人で過ごすのはかなりミジメなものがある。友達もクリスマスには帰ってくるし、結構楽しい帰国(私の場合、帰国ではないけれど)になりそうだ。

友達(らしき人間)は大学で三人いる。一人はあの同じ寮の中国系イギリス人である。六年生の時にアメリカに来たらしい。父親はロンドン大インペリアル校、母親はキングス校に看護学にいたといっていた。私と近い境遇である。またヴァイオリンを弾くらしい。

もう一人はラッセルスクエアの寮に入る事になったタイ人の女の子である。ビジネスに行くといっている。人懐こくていつも機嫌がいいので、人間づきあいが悪くて無愛想な私とは正反対である。趣味は料理と買い物。食べるのが好きで必要に迫られて料理したり、必要に迫られていやいや買い物に行く私とは全く違うタイプである。彼女は私の事を面白いと思っているらしい。

最後の一人はケンブリッジに住んでいたイギリス人の女の子である。ピアノ科である。髪が短く、どうみてもイギリス人の顔をしている。タイ人の女の子とは一緒の寮。大学では最初に知り合った子である。

あと二十日ぐらいで発つのだが、あまり実感が無い。私の事だから、行く三日前に慌てて荷物を詰めるのが目に見えるようである。一人で住むといっても実感がわかない。まあ、寮だから、アパートに一人っきりとは違うのだけれど。

やっと指輪物語の三巻目の映画を買った。最後があまりよく出来ていなかったので、安くなってからでいいやと思っていたら、二年もたってしまったのである。昨夜見たのだが、その前に素人さんが書いた「妖精の王様の長男の日記」成るものを読んでいたせいもあって笑ってしまった。何しろその日記はあの美しい、幻想的な中つ国が設定ではなく、車が走り、携帯が鳴っていて大学の学食では食べてはいけないという暗黙のルールがある中つ国なのである。つまり、中つ国の作りを持った地球。父親のエルロンドはリヴェンデルの総理大臣で、その息子の主人公は灰色の港にある大学四年生である。彼は自分だけが常識を持っていると思っているのだが、他の家族や知り合い同様、常識のかけらも無いのである。双子の弟(エルロヒアの事ですね)は三歳の頭のままで身体だけ大きくなってしまったような人物で、妹のアルウェンは高校でバレー部にいて、高校卒業後すぐアラゴルンと結婚してしまった。厳粛も神秘もあったものではない。

でも、指輪物語のイベントは設定以外忠実に書かれているので余計可笑しい。何しろ、主人公のエラダンが真面目に悩んでいる事は下らないことこの上ないのである。また、一人一人のキャラが非常に良く出来ていて、また笑える。

高校のクラスメートはほとんどがみんな今週か来週に大学へ発つと言う。私だけ学校が始まるのがイヤに遅いらしい。

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